PAGE TOP

建築コラム

COLUMN
建築コラム

地盤調査について

今回は地盤調査について、お話させて頂こうと思います。

地盤調査とは

建物を建てる際に建物を支える基礎を作ります。その基礎を支持させる地盤が、その建物の重量に対して強固なのか、または軟弱であり補強が必要なのかを判断する為に建物の設計を行う際に、地盤の状況を調べる行為を「地盤調査」といいます。調査方法は「ボーリング調査(標準貫入試験等)」や「スクリューウェイト貫入試験(旧スウェーデン式サウンディング試験)」等、様々な方法があります。それぞれ調査方法やコスト面にメリットやデメリットが有ります。

それぞれの調査方法のメリットとデメリット

まず、スクリューウェイト貫入試験のメリットは、「調査時間が短い」「費用がボーリング調査に比べ安価」「狭小地や傾斜地での調査が可能」「一度の調査で複数箇所の調査が可能(通常5箇所)」等があります。逆にデメリットは、「土質資料が採取できない為、詳細な地盤の特性が調査できない」「硬い地盤に不向き」「調査深度は10~15m程度(最長20m)迄」等があります。

次に、ボーリング調査のメリットは、「土質資料を直接採取でき、詳細な地盤の特性を調査可能」「深い層での調査が可能」「硬い地盤の調査が可能」「支持層の確認が可能」等があります。逆にデメリットは、「調査期間が数日必要となる」「調査中に騒音(機械音・打撃音)が発生する」「費用がスクリューウェイト貫入試験に比べ高い」「調査スペースの確保が必要(約5m角程度)」等があります。

地盤調査方法の採択等について

弊社では、ほとんどの設計案件でボーリング調査による地盤調査を行い、基礎の設計を行います。ボーリング調査はデメリットでもある、「調査費用が高い」事から、調査箇所数の節約や、スクリューウェイト貫入試験を採用されるケースが有りますが、地盤調査は建てる建物の規模や敷地近傍の地質データから、その規模等に対し適当と思われる調査方法を採択する必要があります。

また、ボーリング調査の調査数量を計画する際、近隣地盤データ等から調査長さを想定し、面積が小さい場合でも原則2箇所以上として調査計画を立てます。地盤は目に見えない部分であり、敷地地面の中でどの様な土質構成となっているかは不明です。そこで当該敷地の地盤の流れが一様なのか、または内部で著しい傾斜があるのかを把握する為、調査開始時には2箇所以上を、ご提案させて頂きます。場合によっては、想定していた調査長さよりも長く調査を行ったり、支持地盤に傾斜がある場合は調査箇所数を増やす事もあります。

しかし、地盤調査は基礎の設計時に基礎工法を適切に判断を行う為の調査ですので、かえって「地盤調査の節約」が「工事費の増加」をもたらす場合があります。地盤調査は、それだけを捉えると生産性が無い様に思われますが、調査結果を基に基礎工法の採択(杭基礎や地盤改良等)につながるので、とても大切な内容になります。是非、建物を建てられる際には、ご留意頂ければと思います。

また、地盤調査に関するご質問等ございましたら、お気軽にご連絡頂ければ幸いです。